プロバイオティクスはピロリ菌治療に意味があるのか?タイで「生菌」を加えた結果

治療
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ピロリ菌は胃がんや胃や十二指腸に潰瘍を起こす病原体だ。この治療にヨーグルトでうたわれるプロバイオティクスは効くのだろうか。そんな疑問を確かめる研究がタイで行われた。結果としては、完全なる証明とはいかなかったが、もしかしたら可能性はあるのかもしれない。

広がるピロリ菌の除菌

タイのタンマサート大学の研究グループが、アジア太平洋地域のがんコントロール分野のオンライン医学専門誌APJCP(Asian Pacific Journal of Cancer Prevention)で2014年11月に報告したものだ。ピロリ菌の治療は、胃がんを予防するためにも重要視されている。日本では胃炎があるだけで保険治療を受けられるようになった。ピロリ菌の除菌法としては、2種類の抗生物質にプロトンポンプ阻害薬の3剤併用療法が標準だ。治療に耐性を持つピロリ菌が存在して問題になることがある。タイも例外ではない。研究グループは、この3剤併用療法にビスマスと生菌によるプロバイオティックスを生かした新しい治療法を開発。ニセ薬(プラセボ)と比較した。

3種類の微生物の効果を検証

ピロリ菌感染による胃炎を無作為に抽出して100人を登録。25人ずつの4グループに分けて効果を比較した。内訳は、標準の3剤併用にビスマスと生菌を加えた治療を7日間行うグループ、14日間行うグループ、さらにビスマスと生菌の代わりにニセ薬としての特別な微生物の入っていないドリンクヨーグルトにした治療を7日間もしくは14日間行うそれぞれ1グループ。各グループ25人によって治療効果を比較した。生菌は、ビフィズス菌の「ビフィドバクテリウム・ラクティス」、乳酸性乳酸桿菌「ラクトバシラス・アシドフィルス」、殺菌乳酸菌を成分とした。

気休めかも?!

結果として、生菌を投薬したグループでは7日間と14日間の治療グループのどちらもピロリ菌の除菌成功の確率が100%だった。一方でドリンクヨーグルトのグループは7日間だと92%、14日間だと96%の除菌成功率だった。除菌率を高める効果がある可能性はあるが、統計学的な差はなかった。ドリンクヨーグルトを使用するよりも苦みを感じる割合は低く、統計学的にも差があった。気休めで終わるかもしれないが、ピロリ菌の除菌の際にはプロバイオティクスをうたうような乳製品を取るのも良いかもしれない。

文献情報

Srinarong C et al.Improved Eradication Rate of Standard Triple Therapy by Adding Bismuth and Probiotic Supplement for Helicobacter pylori Treatment in Thailand.Asian Pac J Cancer Prev. 2014;15:9909-9913.

Improved eradication rate of standard triple therapy by adding bismuth and probiotic supplement for Helicobacter pylori treatment in Thailand. – PubMed – NCBI

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