尿検査でタンパクが出た!どんな病気が考えられるの?

病気
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年に一度の定期検診や、子どもの身体測定、妊婦の基礎検査など、何かと機会のある尿検査。尿タンパクを指摘されたことがある方もいるのではないでしょうか。タンパクが出たと聞いても、いまいち意味がわからなかった、そんな人は必見です。実はタンパク尿はいろんな病気を教えてくれる、大事な不具合バロメーターなのです。タンパク尿が教えてくれる体の不具合についてまとめました。

尿蛋白がでる原因とは?

腎臓などの病気

尿タンパクはその原因に応じて、腎前性、腎性、腎後性の3パターンに分けることができます。
腎臓以前の段階に異常があり起きる尿タンパクを「腎前性」、腎臓自体に問題があって起きる尿タンパクを「腎性」、腎臓より後となる臓器が原因で起きた尿タンパクを「腎後性」と呼びます。

腎前性の場合

腎前性の場合、腎臓に来るまでの血液が何らかの理由で通常より低分子タンパクを多く含むことで起こります。低分子タンパクは、普段から糸球体を通る時に原尿に混ざってしまいますが、通常量であれば尿細管で再取り込みされます。

しかし、他臓器の障害、感染症、悪性腫瘍などの原因から通常よりも低分子タンパクが血中に増加した場合、原尿中のタンパクが増加し再取り込みが間に合わず、そのまま尿中で検出されることになります。

腎性の場合

腎臓は、血液を濾過して原尿を作る糸球体と、原尿から必要なものを再取り込みする尿細管から成ります。そのため腎性の尿タンパクには、糸球体に異常がある「糸球体性」と、尿細管に異常がある「尿細管性」があります。

「糸球体性」は、糸球体に異常が生じ、普段なら原尿に出現しないはずのアルブミンなどの高分子タンパクが排出されてしまって起こります。

「尿細管性」は、尿細管に異常が生じ、低分子タンパクの再取り込みが行うことが困難となって尿中にタンパクが排出されて起こります。

腎後性の場合

腎臓で正常に尿が濾された後、前立腺・膀胱・尿管などに異常があり、それら患部から浸潤してきた血液や粘液が尿に混入することで起こります。例えば膀胱炎や、前立腺炎などの炎症が疑われます。

起立性蛋白尿

起立性蛋白尿は病気ではなく、学童期、思春期によく見られる現象です。学童における発生頻度は約15%という情報があるほど頻繁に報告されています。

長時間の立ちっぱなしの後や、膝の曲げ伸ばしの後等に検尿すると尿中にタンパクが認められる現象で、安静にしていると全くタンパクは検出されません。

1、2回程度の検尿では腎疾患と誤診される場合がありますが、高血圧やむくみ、その他の腎機能障害も認められませんし、成長するとともにタンパクの排出は見られなくなります。

精液

精液にはタンパクが含まれています。一般的に、何度か尿を排出するあいだに尿管に残る精液は洗い流されてしまうため混入することは稀ですが、尿管などに残っていた場合、その精液が混入することでタンパクが検出されることがあります。

妊娠、月経

妊娠

妊娠時には、腎臓に負担がかかり腎機能が弱まります。それは、未熟な胎児の腎臓の代わりに母親の腎臓を使って不純物の濾過を行っているため。妊娠しているときは、たとえタンパクが検出されていなくても腎臓にはいつもより負担がかかっているものなのです。

妊娠が終了すれば腎機能は元に戻ると考えられますが、妊娠中に尿タンパクが出た場合、腎臓病や妊娠高血圧症候群になるリスクがありますので塩分を控えるなどの対策が必要になります。

月経

検尿の日に生理が来ている場合、タンパクが検出されることがあります。血液中に含まれるタンパクが尿に混ざり検出されることがあるからです。事前に生理であることを病院に相談しておくと、日をずらしてくれたり、血尿・蛋白尿が検出されても一定数値加味して診断してくれることがあります。生理を隠して検尿を受けることのないようにしましょう。

検査結果はどう表される?

陰性(−)

健康な人の尿中のタンパクは、1日あたりで75~150mgです。
1回の検査で使用される尿中あたりだと、0~14mg以下をマイナス(陰性)として判定しています。

偽陽性(±)

尿中にタンパクが15~29mg検出された場合この判定が付きます。ただ、異常値として検出されてはいますが、激しい運動をした・生理中であるなど何かしらの理由があってのタンパク増であろうと判断され、陽性疑いとして扱われます。

この場合、運動をしていた等の一時的なタンパク増加であれば次の検査時にはほとんどが陰性と判定されます。基本的に再検査は任意ですが、毎年の検査結果が続けて偽陽性である場合・妊娠中などタンパクが出やすい環境にある場合、本当に腎機能が低下し始めていることが疑われます。数週間後などで再検査をすることをおすすめします。

陽性(1+)

尿中にタンパクが30~99mg検出された場合この判定が付きます。タンパク量としては確定で異常値とされ、再検査が必要となります。本当に腎機能が低下している場合もありますが、一時的な疲れの蓄積、風邪の治りかけなどでも検出されることがあります。

陽性(2+)

尿中にタンパクが100~299mg検出された場合この判定が付きます。これも腎臓疾患を疑う再検査対象となりますが、ひどい疲れや大きなストレス、激しい運動などで検出される可能性のある数値です。再検査までリラックスして過ごす時間を増やすなど、生活習慣を見直して過ごしてみましょう。

陽性(3+)

尿中にタンパクが300~999mg検出された場合この判定が付きます。3+の数値が出た場合、再検査を行って腎臓の働きをチェックしたほうが良いでしょう。検査結果から生活習慣を見直し、腎臓に負担をかけない生活について見直すきっかけになります。

陽性(4+)

尿中にタンパクが1000mg以上検出された場合この判定が付きます。後述する「ネフローゼ症候群」などの病気が疑われる数値です。体調不良で検査に行ったらこの数値が出たなど、浮腫、発熱など何かしらの自覚を伴うことが多いですが、無自覚でこの数値が出ることも0ではありません。

尿蛋白で分かる病気とは?

急性・慢性腎炎

【急性腎炎】短期間で症状があらわれ、数時間、数日単位で悪化するのが急性腎炎です。急性糸球体腎炎が代表的で、腎臓の機能があっという間に低下し、ひどい時には尿が全く出なくなってしまうことがあります。急性腎炎は治療によって改善・回復する可能性が高いのが特徴です。

【慢性腎炎】長期間かけて症状が進行するため、末期になるまで自覚症状が現れないことも多いのが慢性腎炎の特等です。定期検診の尿検査でタンパクが検出されて発見されることもあります。慢性腎炎には、慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症、腎硬化症、多発性嚢胞腎などの病気があり、根本的な治療法がないことが特徴です。腎不全となる可能性を持っています。

腎盂腎炎

腎盂腎炎は、細菌感染が原因の腎盂・腎実質の炎症のことです。血尿や混濁尿、膿尿、細菌尿が排泄され、発熱が起こります。発熱が認められない場合は腎後性の尿路感染疾患が疑われますが、感染が登ってきて腎盂腎炎になる場合もあるので注意が必要です。

腎盂腎炎では、敗血症や播種性血管内凝固症候群・急性呼吸窮迫症候群を引き起こすことがあるため、早めの診察と処置が必要となります。

腎盂腎炎の場合、感染を引き起こすための基礎疾患があることが多く、まずはその基礎疾患の治療からスタートしていきます。

ネフローゼ症候群

ネフローゼ症候群とは、原因にかかわらず、尿中に大量のタンパク質が出て血液中のタンパク質が減少、浮腫や血中コレステロール値が上昇する病気のことをさします。症状は、浮腫、血中コレステロール値の上昇、胸水・腹水、尿が出にくくなる、腎機能の障害、血圧の低下など様々で、血液が凝固しやすくなるために血栓症を起こす場合もあります。

ネフローゼ症候群には、腎臓自体に病気が起こる一時性ネフローゼ症候群と、糖尿病腎症・膠原病・アミロイドーシスなどの病気の症状として起きる二次性ネフローゼ症候群があります。

尿タンパクは検査のサイン

一口に尿タンパクといってもいろいろな原因があり、必ずしも病気と直結しているわけではありません。検診で再検査になっても、何事もなく無事に検査を終える方も多くいます。しかし、腎臓は肝臓と並ぶ「物言わぬ臓器」。知らないあいだに腎機能が低下していることも珍しくありません。

尿検査は、検体検査の中でも痛みも伴わず受けやすい検査です。今年は陰性だったから・偽陽性だったからと油断せず、定期的に検査を受けて健康な腎臓を保っていきましょう。

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