赤ちゃんの口唇口蓋裂ってどんな病気?原因と治療法

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おなかの中で赤ちゃんが成長し、人間の形になっていく、というのは本来とても大変で難しいこと。大きな異常がなくても、生きていくのに全く問題のない小さな異常というものを少しくらい持っているということはよくあるものです。今回はそれほど知られていないけれども実は少なくない、口唇口蓋裂という病気についてお話したいと思います。

口唇口蓋裂とはどんな病気?

口唇口蓋裂とは、赤ちゃんの唇や口の中の上あごがが真ん中でくっついておらず、間にすき間が開いている状態の病気。

唇がくっついていないだけの口唇裂、上顎がくっついていないだけの口蓋裂、両方ある口唇口蓋裂、の3種類があり、片側か両側か、またその程度によって不完全、完全に分けられます。

難しい名前であまり広くは知られていませんが、日本では400-600人に1人の割合で口唇口蓋裂を持った赤ちゃんが生まれています。決して珍しい病気ではないのです。

口唇口蓋裂の原因には何があるのか

赤ちゃんに異常があった時、必ず考えるのは「原因はなにか」。

赤ちゃんの体の重要な部分は妊娠して3-8週の間に主に作られていきます。
顔が作られるのは主に妊娠4-12週の間。その間になんらかの異常が起こることで口唇口蓋裂が起こります。
その異常とは何か。原因として考えられていることは色々あります。

家族歴はある?遺伝の関与はほんのわずか。

赤ちゃんが口唇口蓋裂で生まれた時、両親や祖父母、兄弟や親戚、に口唇口蓋裂の人がいることがあります。ただ、その確率は数%と非常に低いもの。

自分が、家族が、お子さんが口唇口蓋裂で生まれた場合にどうしても気になるのが遺伝ですが、統計から見る限りその心配はあまりないようです。

妊娠中に飲んだ薬が関係する可能性

催奇形性といって妊娠中に飲むことで胎児へのなんらかの影響がある可能性のある薬を飲むこと。
そういったことが口唇口蓋裂が起こることに関係している可能性はあります。

赤ちゃんの構造の主な部分が出来上がるのは妊娠3-8週。顔が作られるのは4-12週。
特に最初の3-5週程度は妊娠に気づかないことも多い時期で、知らずに薬を飲んでしまうということはあることです。

ただそれがすぐに口唇口蓋裂につながるわけではありませんし、なかなか「この薬が原因」と言いきれるほど単純なものではありませんが、一部の薬が関係している可能性はあると言われています。

レントゲンやCTなどの被爆する検査が関係する可能性

妊娠中にレントゲンなどの被爆するものを避けるのは当然のことですが、絶対に必要な検査、というのはどどしてもあるものです。
レントゲン程度の被爆であれば問題がないことがほとんどですが、CTくらいになると無視できない線量になってきます。

ただこれが直接口唇口蓋裂に関係する、絶対になる、とはやはり言えないもの。
あくまで可能性ですが、放射線検査が影響することもあります。

過度のストレスが関係する可能性

妊娠中には精神的に不安定になったり、いつも以上にストレスを感じる妊婦さんはとても多いことででしょう。

ここで言うストレスはそういった精神的なストレスよりも肉体的な過度なストレス。
妊娠初期にひどく体調を崩したり、病気になったり。そういったことが影響している可能性もあります。

ただつわりがひどくて全くたべれない、妊娠中に熱を出した、入院した、などがあっても問題なく出産を迎える人は万といますし、妊娠中に仮に具合が悪くなったからといって過度に心配する必要はありません。
あくまで原因となりうるものの1つ、というだけです。

実は口唇口蓋裂の大半が原因不明

遺伝、薬、放射線、ストレス。
どれも可能性の一部でしかないということは言ってきましたが、実際にはこういったことや偶然何か別のことが絡み、そういったことが合わさって起こるのが口唇口蓋裂。

はっきりとした原因として言えるものがなく原因が分からないことがほとんど。
つまりほとんどが原因不明な病気なのです。
誰のせいでもなく、偶然起こってしまうものなのです。

口唇口蓋裂の診断

妊娠中のエコー検査で偶然みつかることも

生まれた赤ちゃんの口唇口蓋裂の診断は実際に口や口の中を診察してしますが、今は出生前診断、そうでなくてもエコーの精度が上がってきているために妊娠中に偶然みつかり、診断されることも多くなってきています。

といってもエコーはあくまでエコー。実物を見ているわけではありませんし、胎児の位置や向きで見えにくいことはあるもので、妊娠中に皆分かるわけではありません。

また、妊娠中に分かっても特別することはありませんので、必ずしも生まれる前に調べる必要はありません。ただやはり特に口唇裂がある場合には美容面で心配する両親も多いですから、カウンセリングや予め治療や対処法を知り備えることができる、という意味では出生前に診断がつくことが助けになることもあります。

口唇口蓋裂の症状とその対処法

口唇口蓋裂では唇や上顎に本来ないはずの隙間があることによって起こる症状がいくつかあります。
1つずつ見ていきましょう。

1.上手に哺乳ができない

赤ちゃんがおっぱいや哺乳瓶でミルクを飲むとき、舌と上顎がとても大事な働きをします。
赤ちゃんは舌と上顎で密閉空間を作り、そこが陰圧になることでおっぱいやミルクを上手に吸いだします。
赤ちゃんに指を吸わせてみるとその感じが良くわかると思います。

口唇裂だけの赤ちゃんは問題ないですが、口蓋裂がある場合にはその大事な上顎にすき間があるために上手に密閉空間を作ることができないためにうまく哺乳ができないことがあるのです。

うまく飲めない場合にはその理由にあわせ、特殊な乳首や上顎にプレートを入れることで哺乳を助けてあげます。どうしても飲めない場合にはチューブでミルクを入れてあげる場合もあります。

2.発音が上手にできない

口蓋裂がある場合、その程度にもよりますが、空気が通常とは違うところに抜けてしまうために上手に発音できないことがあります。
鼻と上顎の境目が閉じていないことで鼻声になることもあります。

発音に関しては手術で上顎のすき間を直し、言語療法といって言葉のリハビリを受けることがあります。

3.歯並びの問題

口蓋裂のある赤ちゃんは上顎の発達が悪いことが多いため、そして後にお話する手術の影響もあって歯並びに問題がでることがあります。
多くの場合、矯正歯科に通って長い年月をかけて成長を見守っていくことになります。

4.美容上の問題

生まれてきた赤ちゃんが哺乳をすることは生きる上で最も大事なことですが、生きていく上では見た目の問題もとても大事なこと。

口唇裂の場合には特に生まれた直後からその見た目で辛い思いをする家族が多いですが、幸い今は手術もとても進歩し、傷跡も分からないくらい上手に治してもらうことができます。

口唇口蓋裂の合併症には何がある?

ばい菌の繁殖で中耳炎になってしまうことも

口蓋裂がある場合には上顎がきちんと閉じていないために鼻と口がつながっており、そのために食べ物などがすき間に残ることでばい菌が繁殖してしまい、中耳炎になってしまう、ということがあります。

また口唇口蓋裂を持った赤ちゃんでは、それがない赤ちゃんに比べて手や耳、心臓などになんらかの合併症を持っている可能性が少し高くなります。
ただそれも絶対ではなく、口唇口蓋裂だけ、という赤ちゃんも沢山います。

口唇口蓋裂の治療

基本的には手術。回数は大体1-3回

口唇口蓋裂の治療は基本的に手術になります。
手術の回数は状態によりますが多くは1-3回。

口唇裂の手術は生後3ヵ月頃。唇をまず閉じてあげます。これだけで見た目の美容上の問題が解決されるので大きな一歩です。
次が上顎のすき間、口蓋裂を閉じる手術。言葉を覚え話し始める1歳半から2歳くらいの間で行います。
その手術の後、正しい発音ができるように言語療法を始めます。
中には上顎の歯茎がくっついていない子もいます。
その場合には5-10歳くらいの間に、体の他の部分から骨を少しもらうことで歯茎を形成する手術をします。

今は技術がとても進歩しているので、手術を受け終えた赤ちゃんが口唇口蓋裂を持っていた、ということは言われなければ分からない、ということが殆どです。

口唇口蓋裂と診断されても大丈夫

10ヵ月もの間大事に育てたわが子が口唇口蓋裂をもって生まれた、という事実は家族にとってはとても辛いもの。他の子と比べてしまったり、将来を思って悲しくなってしまったり。
いろいろな思いが錯綜するものです。

でも、医学は日々進歩しています。最初は大変だけれども、辛抱強く治療を続けていけば見た目にも構造的にも全く問題がなくなるのが口唇口蓋裂です。
妊娠中、出産後に診断されたら落ち着いて、まずは信頼できる医師に相談しましょう。

口唇口蓋裂は400-600人に1人の病気。案外近くに同じ悩みを持つ人がいるものです。
一人で抱え込まず不安や悩みを相談できる人、場所も探すことが大事です。

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