慢性呼吸不全とはどんな病気?原因から治療法まで解説します

病気
スポンサーリンク

慢性呼吸不全って聞いたことがありますか?医療関係者や経験者でもなければ普通は知らないと思いますが、呼吸が困難になるとても苦しい病気です。今回は慢性呼吸不全の原因や症状、また治療法についてみていきたいと思います。

文献情報

本記事は下記サイトを参考に執筆いたしました。

西新潟中央病院:慢性呼吸不全:慢性呼吸不全の定義と原因疾患
ここにサイト概要テキストが入ります。
学校法人日本医科大学|法人本部
診療部門 | 神戸市立医療センター中央市民病院のオフィシャルサイト
慢性呼吸不全|一般社団法人日本呼吸器学会
一般社団法人日本呼吸器学会公式サイト
慢性呼吸不全と在宅酸素療法、在宅人工呼吸器療法|国立国際医療研究センター病院
福岡病院 | 独立行政法人 国立病院機構
気管支喘息などのほとんどの呼吸器疾患に対応する呼吸器内科、呼吸器外科、アレルギー科、リウマチ・膠原病内科、循環器内科、心療内科、睡眠センター、小児科、皮膚科、耳鼻咽喉科、歯科、放射線科を有し、呼吸不全施設、免疫・アレルギー基幹施設、成育医療・重症心身障害の専門医療施設として、地域医療に貢献しています。
慢性呼吸不全、急性増悪

慢性呼吸不全について知っていますか?

慢性呼吸不全と聞くと、なんとなく「常に息苦しいのかな」なんて考えてしまいがちですが、これは大きな誤解です。息苦しいことと呼吸不全との間には大きなミゾがあります。以下でそれについて説明したいと思います。

慢性呼吸不全とはどのような疾患か

慢性呼吸不全とは読んで字のごとく、慢性的に呼吸が完全ではない状態に陥っていることをいいます。それでは、そもそも呼吸不全とはどういった状態のことを言うのでしょうか?また、慢性と急性の違いはなんでしょう。

呼吸不全とは

慢性呼吸不全についてお話しする前に、まずは呼吸不全について確認しておきたいと思います。冒頭でも少し触れましたが、呼吸不全とは、いわゆる「息苦しい」とか「息ができない」と言った状態とは違います。そもそも息という字は「自らの心」と書くように、ストレスなどの精神的な理由によって息が苦しくなるようなことがあります。

呼吸不全はそうではありません。息が苦しくなくても呼吸不全「状態」であることは起こりうるのです。どういうことかというと、簡単に言うと、呼吸不全とは血液中の酸素が足りていないことを意味しています。医学的な定義としては、「空気吸入時の動脈血ガス分圧が、60Torr以下の場合」とされています。

慢性と急性について

慢性呼吸不全とは、1ヶ月以上の呼吸不全が続く場合のことを言います。そうでない場合は急性呼吸不全として分けられます。慢性の呼吸不全の場合、長期にわたる呼吸不全の治療が必要となり、また、急性増悪といって、何らかの原因によって症状が悪化することがあるので注意が必要です。

急性の呼吸不全の場合は、急性期さえ乗り切ってしまえば慢性化の恐れもなく、治療を続けることも必要ありません。急性呼吸不全の誘因としては、薬物中毒や喘息の発作、肺炎や肺塞栓症などが挙げられています。

慢性呼吸不全の定義

日本における慢性呼吸不全の定義は、厚生省(当時)呼吸不全研究班(1981)によって、以下のように定められています。

1.室内気吸入時の動脈血酸素分圧(Pao2)が60Torr以下となる呼吸障害でこのうち、動脈血炭酸ガス分圧(Paco2)が45Torr以下のものをⅠ型呼吸不全、45Torrを超えるものをⅡ型呼吸不全とする。
2.慢性呼吸不全とは呼吸不全の状態が1ヶ月以上持続するものをいう。

慢性呼吸不全になるとどのような症状が現れますか?

それでは、慢性呼吸不全になるとどのような症状が現れるのでしょうか?冒頭に出てきましたが、息が苦しいことや息ができないこととは異なるそうですが、どのような特徴があるのでしょう。

呼吸困難

慢性呼吸不全の症状の代表的なものが呼吸困難です。呼吸困難によってどれくらいの行動が制限されるかを表す指標として、Hugh-Jones(ヒュー・ジョーンズ)の分類というものが用いられます。それによると、呼吸困難の低度によって、1度から5度に分けられるそうです。以下、参考までに紹介いたします。

1度…正常
2度…同年齢の健常者と同様に歩行はできるが、階段や坂は健常者なみに登れない。
3度…平地でも健常者同様に歩行はできないが、自分のペースなら1.6km(1マイル)以上歩ける。
4度…休みながらでなければ50m以上歩けない。
5度…会話、衣服の着脱にも息切れがする。息切れのため外出が出来ない。

頻脈

急性呼吸不全と比較した場合の、慢性呼吸不全における急性増悪時の症状として、頻脈が起こることがあるそうです。そのような場合には右心不全の関与が疑われます。

意識障害

慢性呼吸不全の患者さんで、血液中の炭酸ガス濃度が高い場合に、酸素を過剰に摂取してしまうと、意識障害のほか、頭痛や眠気、発汗や手のピクツキが現れることがあるので注意が必要です。

慢性呼吸不全はなぜ起こるのですか?その原因は?

そもそも慢性呼吸不全はなぜ起こるのでしょうか?その原因として考えられているものには、以下のようなものがあります。もしもそのような疾患のある方は十分にご注意くださいね。

慢性閉塞性肺疾患

慢性呼吸不全の原因疾患としては、日本では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と、結核の後遺症によるものがその多くを占めているそうです。慢性閉塞性肺疾患は、タバコなどが原因のセキや痰、息切れが続くことを言います。

気管支拡張症

子供のころに肺炎になったり、また肺結核の後遺症が原因で起こる瀰漫性の汎細気管支炎などが原因になることがあります。気管支周囲の炎症を繰り返すことで、徐々に呼吸機能が低下していきます。

慢性過敏性肺炎

慢性過敏性肺炎やじん肺などの包括的な病名である間質性肺炎も、慢性呼吸不全の原因となり得ます。慢性的に徐々に進行することで、呼吸困難や呼吸不全が生じます。

慢性呼吸不全の治療はどのように行われますか?

もし、慢性呼吸不全になってしまったら、どのような治療がおこなわれるのでしょうか。主な治療法は酸素療法とリハビリテーションの2本立てになります。

酸素療法

慢性呼吸不全の場合、体内に酸素が不足している訳ですから、それを補う治療がおこなわれることとなります。方法としては通常、鼻や口からカニューレやマスクで酸素を吸入します。また、在宅酸素療法も可能となっており、現在は保険適応の対象となっています。

呼吸リハビリテーション

慢性呼吸不全に対しては、包括的呼吸リハビリテーションという取り組みが行われています。日常生活の指導や運動療法などを通じて、慢性呼吸不全患者さんのQOL(生活の質)を向上させようという目的があります。

看護について

先述したように、慢性呼吸不全における在宅での酸素療法が導入されていて、現在10万人以上の人が利用しているそうです。これと、先に挙げた呼吸リハビリテーションでの生活習慣や食事の栄養指導などをあわせた看護計画を練って、根気強く治療を継続することが必要です。

慢性呼吸不全は自宅で治療できる時代になっています

慢性呼吸不全についてお届けしてきましたが、いかがだったでしょう。筆者も小児ぜんそく持ちでしたが、息が吐けても吸えないというのは非常に苦しい経験でした。幸い現在では在宅酸素療法という手段もあります。また、喫煙も慢性呼吸不全のリスクを高めますので、なるべくなら禁煙したいものですね。

コメント