不妊治療で目にするIVFとは?治療法の内容、費用、流れとは

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“IVF”という言葉を目にする人も多いのではないでしょうか?不妊治療ではさまざまな治療法がありますが、どんな治療がどのようにおこなわれるのかを知っておくことも大事ですね。治療法や費用、また流れについて紹介したいと思います。

IVFとは、体外受精のこと

体外受精って何?

体外受精とは、文字通りになりますが、「体の外で受精させる」方法となります。人工授精のステップアップ治療となります。子宮内から成熟した卵子を取り出して、精子を直接かけます。受精したことを確認、受精卵が成長し分割を始めてから子宮へ戻すことになります。

体外受精のことを英語で「In Vitro Fertilization」といいますので、IVFともよばれます。また、体外受精などの高度生殖医療技術のことを「assisted reproductive technology」といい、ART(アート)と呼ばれています。

2014年に発表された日本産科婦人科学会からのデータによると、2012年の体外受精による出産の割合は27人に1人だそうです。体外受精は32万回超、出産数は3万7953人とのことです。

体外受精ってどうやるの?

体外受精では、シャーレ(医療用の専用ガラス皿)に培養液を入れ、卵子をおき直接精子を振りかけます。子宮内から取り出した卵子1個に対し、動いている精子が10万~20万匹必要になるようです。採卵の結果次第では、複数個の卵子・対応する精子をシャーレ上におくようです。受精には、精子自身の力が必要です。

翌日には受精したかどうかが分かります。受精後は少し受精卵が成長するのを待ち、子宮に戻します。受精卵が2つ以上に分割すると胚という名称に変わりますので、子宮に戻すことを胚移植といいます。胚移植には4つの段階があり、どの段階まで受精卵を成長させるかによって名称が変わります。

対象となる人とは

体外受精の対象者としては、原則として「この方法以外では妊娠しにくい」という状態であることがスタートラインとなるようです。現段階では、体外受精は不妊治療の最終段階であるとも言われています。体外受精となる主な原因が4つありますので紹介します。

1)卵管に不妊の原因がある場合
両側の卵管閉塞・卵管の機能異常などがあげられます。

2)男性に不妊の原因がある場合
夫が乏精子症・精子無力症などがあげられます。精子の数や運動量など相対的な専門医の診断によっては、最初から体外受精へのトライとなる場合もあります。

3)抗精子抗体陽性の場合
女性の体内に精子を攻撃してしまう抗体ができてしまい、精子が死んでしまうという場合があります。その場合には、体外受精でしか妊娠ができないと言われています。

4)原因不明の場合
精密な検査や人工授精など積極的な不妊治療を行っても妊娠につながらず、明確な原因が分からない場合。

人工授精との違い

人工授精とは

人工授精とは、排卵日に子宮へ精子を直接注入するという方法になります。タイミング療法でもなかなか妊娠にしない場合にステップアップします。精子を採取したあと、遠心分離やスイムアップ法といった方法で元気な精子だけを選別・洗浄します。そして細いカテーテルで子宮内へ注入するという流れになります。

人工授精の妊娠率は約10%程度、4回目までの妊娠率は約90%程度になることが多く、回数の目安としては4~6回で妊娠する方が多くなっています。それ以上続けても妊娠率が上がらないため、その場合は体外受精へのステップアップが良いそうです。人工授精の場合には、1回あたり1万円~2万円ほどで行うことができます。

人工授精は、自然妊娠に少し医療の手助けをしてあげるというイメージが近いでしょう。

顕微受精との違い

顕微受精とは

顕微受精とは、顕微鏡を使いながら直接卵子へ精子を注入します。体外受精ではありますが、より高度な医療技術が必要となっています。
体外受精では卵子に精子をかけるだけですので、受精しない可能性もありますが、顕微授精では直接精子を送りこむため、受精の可能性をぐっと上げることが可能です。
卵巣を刺激しても卵子が育ちにくい人や、精子が持つ力が弱い場合などに適用されることがあります。

保険が適用できないため、体外受精であっても1回あたりの費用が高額と言われますが、顕微受精の場合では更に高額となり1回あたり40万~50万円、施設や内容によっては100万円近くかかるとも言われます。不妊治療の助成金などが利用できるようにはなっていますが、それでも高額であるといえるでしょう。

体外受精の治療の流れ

体外受精の治療では、「卵巣刺激(排卵誘発)」→「採卵・採精」→「受精・培養」→「胚移植」→「妊娠判定」といった流れになり、生理が終わった後から治療を開始していきます。妊娠判定までが1つの治療サイクルとなっています。

卵巣刺激(排卵誘発)

●卵巣刺激の排卵誘発をおこなう場合
排卵誘発効果のあるホルモン剤を内服または注射をして、卵胞の発育を促します。現在では卵胞の大きさを測ることができるため、成長具合を見ながらホルモン剤の量を調整していくとのことです。成熟を確認してからの採卵日決定となるようです。

卵巣刺激にはさまざまな方法があり、体調や年齢などを考慮しながら組んでいくようです。特にホルモン剤をたくさん使う治療では副作用も出やすいため、経過観察をしながら薬の量を調節していくことが必要になってきます。

●自然周期法の場合
ホルモン剤を使わずに、自然な排卵に合わせ、採卵をする方法です。身体に負担をかけず自然妊娠に近い状態の卵子をつくることができます。また、ホルモン剤の投与にはどうしても副作用が否定できません。特に体外受精の初期段階では、おすすめしているクリニックも多くなっています。
但し、排卵日が特定しずらく排卵してしまうこともあるようです。採卵できる数というのも、ほとんどの場合が1個になってしまうため、受精~胚移植といった流れまでたどり着けない場合も多いようです。

採卵・採精

成熟した卵子を、排卵してしまう前に卵巣から取り出します。採取する方法は病院によって違い、全身麻酔の場合や、部分麻酔などの場合があります。卵巣刺激のホルモン剤などを投与している場合は、数個~十数個くらいの成熟した卵子が採卵できます。
男性側には精子を採精してもらいますが、個室の用意がされているため、当日病院で採精するか、自宅にて採精後、病院へ持参する場合があります。できるだけ新しい方が良いとされていますので、同伴・当日採精が原則となっています。

受精・培養

受精・培養は、待つことが大事です。採卵後は体もとっても疲れているので、ゆっくりと休んで結果を待ってください。受精可否は、早ければ翌日には分かります。その後、受精卵が分割し胚と呼ばれる状態まで培養してからの移植、または更に胚盤胞とよばれるまで培養してからの移植となるようです。

胚移植~妊娠判定

受精卵を培養して、複数個できた場合にはその中から良質な胚を選択して子宮へ移植します。その際、良質な胚であれば、凍結保存も可能です。凍結保存ができれば、採卵をせず、胚移植からのトライが可能です。

そして約二週間後に妊娠判定となります。子宮に着床できれば妊娠となります。着床できなければ、次のサイクルへのトライとなります。少し体を休ませる人もいますし、次の周期に続けてトライするという人もいるようです。採卵した場合は卵巣が腫れたりすることもありますので、体調を見ながら、医師と相談をして決めていくと良いかもしれません。

気になる体外受精での妊娠確率とその費用

妊娠の確率は?

体外受精の妊娠率は、受精卵が確保できたところからのカウントになります。そのため、顕微受精も含まれています。

体外受精の妊娠率では、日本全国全体ではおよそ20%くらいという統計データが出ています。しかし、年齢別にみると、20代では40%超が妊娠できています。35歳あたりからグラフは降下してしまい、35歳で35%、38歳では30%を切ってしまいます。40歳では20%を切り、43歳では10%を切ります。

かかる費用

体外受精の費用は、保険適用外となるためクリニックや病院ごとに違います。一般的には約30~40万円と言われていますが、トライする内容などによって100万円近くかかる場合もあります。費用のめやすは公開されていることが多いので、事前にHPやパンフレットなどで調べておくと良いかもしれません。

クリニックによっては成果報酬型を取り入れていることもあります。体外受精の場合には、採卵から受精、移植の流れにおいて、どこかで躓いてしまうと、妊娠することはできません。そのため、妊娠成立までの費用負担をなるべく軽減しようと思考錯誤しているクリニックも多数あります。

保険適用外のため、どうしてもクリニックごとの費用体系にバラつきが出てしまいます。治療実績と合わせて、どのくらいの費用がかかるのかもしっかりと確認してくださいね。

保険適用外ではありますが、不妊治療のうち体外受精・顕微受精には助成金が出ます。自治体指定医療機関での治療が原則となり、HPや窓口で紹介されています。所得制限・年齢制限など諸条件がありますので事前に確認をした上で利用してください。

特に平成28年度以降は制度が変わり、42歳以下、通算6回までと制限がついてきます。また、政令都市などでは助成金にプラスして補助金が出る場合もありますので、不妊治療の助成金については自治体窓口で一度確認しておくと良いかもしれませんね。

顕微授精は非常に高額ですが、妊娠の確率が上がることも

人工授精に比べ、非常に高額でなかなか決断しづらい体外受精や顕微授精ですが、人工授精と比べると妊娠の確率も高まることもあり、人工授精で妊娠しない場合は、ステップアップをしたほうがよいこともあります。
数多くの方がこの治療法にて妊娠し、問題なく子育てをしていますので、ステップアップするにあたり不安な点はしっかり医師や夫とよく話し合い進めていきましょう。

高額なため、何度もチャレンジできる方法ではありませんので、体調を整えて、リラックスして取り組めるとよいですね。

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