日本で猛威を奮ったC型肝炎ウイルスが99%消失、新薬の威力

治療
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2つのC型慢性肝炎の薬を一緒に使うことで、95%の確率でウイルスを消失できたと報告された。C型肝炎をめぐっては、新薬が次々と登場してくる予定で、一挙にウイルス克服の日が近づいてきそうだ(C型肝炎新薬が1錠6万円、3カ月500万円強で完了、「許容できる範囲」の研究報告を参照)。独ゲーテ大学のシュテファン・ゾイゼム氏らの研究グループが、内科領域の有力誌であるアナルズ・オブ・インターナル・メディシン誌で2015年4月24日に報告している。

12週間1日1回の服用

日本ではC型肝炎の新薬として「ソホスブビル」と「レジパスビル」という薬が登場する見通しとなっている。これとは別の薬であるNS3/4Aプロテアーゼ阻害薬の「グラゾプレビル」とNS5A阻害薬の「エルバスビル」という薬の効果を検証する試験の結果が出てきている。グラゾプレビルとエルバスビルを一緒に使うと、C型肝炎ウイルスの遺伝子型の1型、4型、6型というウイルスに有効だと分かった。ちなみに、日本では1型が多い。未治療のC型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子1、4、6型のいずれかに感染する421人を対象として、米国、欧州、オーストラリア、スカンジナビア半島、アジアの60施設で試験が実施された。対象となった人を3:1の割合で2つのグループに分けて、一方のグループにはすぐに実際の薬を飲んでもらい、もう一方のグループはやや遅れて実際の薬を飲んでもらうようにした。すぐに飲んでもらうグループは、12週間にわたって1日1回グラゾプレビル100mgとエルバスビル50mgを飲む。12週後の持続的にウイルスが消失している状態になった人の割合を比較している。対象となった421人のうち、女性は4割弱、非白人は4割弱を占めていた。遺伝子型1型のウイルスに感染していたのは9割。肝臓の機能が著しく落ちる肝硬変になっている人はおよそ2割だった。

肝硬変でも97%でウイルス消失

結果として、すぐに薬を飲んだ316人のうち95%に当たる299人で持続的にウイルスが消失していた。遺伝子1型のうち、遺伝子型1a型だった人はほぼ9割で持続的にウイルス消失、遺伝子型1b型では99%で持続的にウイルス消失となった。1b型は日本では特に多いと知られており、かつてインターフェロンという薬くらいしかなかった時代には、ウイルスがなかなか消えず、多くの治療を受けた人が治療失敗に終わった歴史がある。今でも厄介なウイルスであるのは変わりない。そんな最悪のウイルスが遂にほぼ全員で治しきってしまうような時代になるといえる。このほか遺伝子型4型では100%、遺伝子型6型は8割でウイルスが持続的に消えた。さらに、肝硬変の人でも97%で持続的にウイルス消失、肝硬変がない人では94%でウイルス消失となった。316人のうち治療失敗は13人にとどまった。副作用は頭痛(17%)、倦怠感(16%)、吐き気(9%)だった。C型肝炎の治療に転機を迎えるのは間違いない。

文献情報

Zeuzem S et al. Grazoprevir-Elbasvir Combination Therapy for Treatment-Naive Cirrhotic and Noncirrhotic Patients With Chronic HCV Genotype 1, 4, or 6 Infection: A Randomized Trial. Ann Intern Med. 2015 Apr 24. [Epub ahead of print]

Grazoprevir-Elbasvir Combination Therapy for Treatment-Naive Cirrhotic and Noncirrhotic Patients With Chronic Hepatitis C Virus Genotype 1, 4, or 6… – PubMed – NCBI

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