「二度寝をして寝過ごしてしまう」と悩んでいる人は多いのではないでしょうか? 実は二度寝には心身にとってのメリットがたくさんあるのです。今回の記事では二度寝の原因とメリットやデメリット、良い二度寝をする方法を解説します。ついつい二度寝をしてしまい、大切な会議に遅刻したフミナーくん。二度寝の原因を知りたくて、フミナーズ睡眠ドクターを訪れました。

教えてくれた人: フミナーズ睡眠ドクター
眠りの研究を重ねることXX年。多くの眠れないフミナーズたちを救ってきた。
口癖は「睡眠がすべてなのです!」

相談者: フミナーくん
不眠・いびきをはじめ、眠りに関するさまざまな悩みとともに生きてXX年の玄人フミナー。
すっきり起きられないことが多く、毎朝遅刻しかけているのが悩み。
二度寝をしてしまう原因

フミナーズ睡眠ドクター、僕『あと5分だけ…』のつもりで二度寝して、結局、寝坊してしまうことが多いんです。つい二度寝してしまうのはどうしてしょうか?

それはフミナーくんが『睡眠不足』だからかもしれません。人間が二度寝をしたくなる主な原因は日々の『睡眠不足』にあることが多いといわれています。二度寝をすることによって、不足した睡眠時間を補っているのです

確かに、睡眠不足が続いているときは特に二度寝しがちです。でもねドクター、僕、しっかり眠った日でも二度寝してしまうんです!

その場合はフミナーくんの『体内時計』が乱れているのかもしれませんよ。体内時計が乱れると『朝起きて、昼に行動し、夜眠る』というリズムも乱れてしまい、目覚めるべき時間に覚醒のスイッチが入らず、すっきりと起きられなくなるのです。夜遅くまで起きて、スマートフォンやパソコンを見たりしていませんか?

……いつもベッドの中でスマートフォンを見ています。ちょっとだけのつもりが、つい深夜まで見てしまうんですよね

次に考えられるのは『ストレス』。日中に強いストレスを受け続けていると、夜になっても自律神経が入眠モードになりにくく、眠れなくなってしまいます。眠る時間が後ろにずれると体内時計が乱れてしまい、朝起きられずについ二度寝してしまうのです

仕事が忙しくて疲れているときに限って寝つけないのは、そういう理由だったんですね
二度寝のメリット・デメリット

ところでドクター、二度寝はダメだってわかっているけれど、とっても心地いいんですよね。罪悪感を抱きつつも、幸せを感じてしまいます

おや? 二度寝は必ずしも悪いというわけではないんですよ、フミナーくん。実は心身にいい影響を与えることが多いのです。二度寝のメリットを見ていきましょう
二度寝のメリット
睡眠不足の解消に効果的
ストレスに備えることができる
二度寝でうとうとしているときの脳は、リラックス効果のα波の影響が強くなり「エンドルフィン」が分泌されているとも考えられています。エンドルフィンには心身をリラックスさせて、ストレスをなくす働きがあります。

二度寝をすれば満足感があって、幸せになれるんだ! それなら積極的に二度寝した方がいいんですね! やったー

ちょっと待った! 確かに二度寝は1日を幸せな気分で始めるのに有効ですが、ただ二回寝ればいいというわけではありません。二度寝にはデメリットもあるのです
二度寝のデメリット:体内時計が狂う
二度寝からそのまま深い眠りに入ると、体内時計が狂い、睡眠のリズムが乱れてしまいます。20分以上眠ると長時間寝てしまう可能性があります。

あ……休日はいつもこのパターンです

メリット、デメリットを考え、賢く『良い二度寝』をすることが大切なのです
「良い二度寝」をする方法

ドクター、僕に『良い二度寝』の方法を教えてください!

いいでしょう。良い二度寝とはつまり、体内時計を狂わせない二度寝のこと。次のルールを守って二度寝しましょう
良い二度寝をするためのルール
一度だけと決める
二度も三度も続けていると、結局長い眠りになってしまいます。
20分だけと決める
一度目の目覚ましが鳴ったら20分後にセットし直し、次で必ず起きること。20分以上寝続けると深い眠りに入り、長寝の原因になってしまいます。
カーテンを開ける
二度寝をするときにカーテンを開けておけば、朝日を浴びることによって目覚めを促す「セロトニン」が分泌されるため、長寝を防ぐことができます。
一度起きて午前中に二度寝する
いったん普段と同じ時間に起きて太陽光を浴び、朝食を食べるなどある程度活動した後に二度寝をすると体内時計が乱れにくくなります。目安は11時からお昼過ぎまでで、この場合時間はあまり気にしなくても大丈夫です。

つまり、『ダラダラ寝ない』ってことですね!
長寝を防いで、すっきり目覚める方法

良い二度寝をしたいと考えていても、つい何度も二度寝をしたり、長寝になったりすることもあると思うんです。とくに僕の場合、意志が弱いもので……(苦笑)

そんなフミナーくんのために、すっきり目覚める方法を教えましょう。まずは寝不足による悪い二度寝を防ぐための『睡眠の質を高める方法』です
睡眠の質を高める方法
寝る前にコーヒーなどの刺激物を摂取しない
カフェインの覚醒作用によって入眠しづらくなり、眠りが浅くなります。
食事は寝る2時間前までに済ませる
寝る直前に食事をすると、就寝後も胃腸が働き続けるため、熟睡が妨げられます。
飲酒は寝る3時間前までにする
アルコールが分解されるときに発生する「アセトアルデヒド」という物質が睡眠を妨げ、眠りを浅くします。
寝る1時間前からは喫煙しない
ニコチンには脳を目覚めさせる効果があるため、寝室を禁煙にしたり、枕元に灰皿やたばこを置いたりしないようにします。
寝る前にブルーライトを見ない
暗くなると、「メラトニン」という睡眠ホルモンが増えて人は眠くなりますが、スマートフォンのブルーライトはこのメラトニンの分泌を妨げてしまいます。もちろんタブレット端末、ゲーム機、テレビの画面も同様です。
就寝時間の1~2時間前に38~40度のぬるま湯で湯船につかる
入浴をして脳や内臓などの深部体温を温めておくと、下がっていくタイミングで自然と心地よい眠気が訪れます。お湯の温度が熱すぎると、目が冴えたり、寝苦しさにつながったりするため、就寝時間の1~2時間前に38~40度のぬるま湯に入るのがおすすめです。
寝る前に部屋の照明を落とす
寝る前に強い光を浴びると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が妨げられます。就寝1〜2時間くらい前には、ホテルの室内のように照明を暗くしましょう。

たくさんあるんですね〜。どれもあまり気にしたことがありませんでした

いきなりすべてを実行するのではなく、できることから始めましょう。努力を積み重ねることで『質の高い睡眠』をとれるようになりますよ。次に、体内時計の乱れが原因で悪い二度寝がやめられない場合の『睡眠リズムを整える方法』を紹介します
睡眠リズムを整える(体内時計を整える)方法
起床時間を一定にする
朝、起きる時間がバラバラだと、睡眠サイクルが狂ってしまいます。朝はできる限り同じ時間に起きて、体内時計を整えましょう。
起きたらすぐに温かい飲み物を飲む
温かい飲み物を飲んで深部体温を上げると、脳と身体の働きが活発になります。
太陽の光を浴びる
体内時計のズレは、太陽の光を浴びるとリセットされます。
朝ごはんを食べる
朝ごはんを食べると身体が目覚めるので、起きてから1時間以内に朝食を食べるようにしましょう。また、朝食の時間を一定にすることで、脳が「朝食=活動」と認識し、体内時計が調整されやすくなります。
適度な運動をする
運動をすると、眠気を引き起こす働きのある脳内の「睡眠物質」が多くつくられます。ウオーキングやジョギングなど、自分に合った運動を1日30分程度取り入れるといいでしょう。運動する時間がとれない人は、少しでも歩いたり、階段を使ったりしてみてください。

朝の習慣を少し変えるだけなら僕にもできそうです。運動する時間はなかなか取れないけれど、エスカレーターやエレベーターは使わず、なるべく階段を使う努力をしてみます!

いい心がけですね。では最後に、なかなか起きられないフミナーくんのために、目覚めをよくする簡単なテクニックを教えてあげましょう。寝起きの習慣に取り入れると、快適に目覚めやすくなりますよ
目覚めをよくする方法
手をグーパーして、血流をよくする
目が覚めたら、布団の中で2~3分間、手をグーパーしてみましょう。血流がよくなって、体温上昇&脳が活性化。すっきりした目覚めにつながります。
好きな音楽を聴く
好きな音楽を聴くことで、脳内で快感伝達物質の「ドーパミン」が分泌され、血圧と体温が上昇。脳が活性化して目が覚めます。
覚醒系のアロマオイルの香りをかぐ
おすすめはレモンやオレンジなどの柑橘系や、ミントやローズマリーなど。鼻からの刺激は脳にダイレクトに届きます。香りの刺激が脳に届くのは、わずか0.2秒以下です。
眠気を覚ますツボを押す
布団の中で、頭のてっぺんにある「百会(ひゃくえ)」のツボを心地よい強さで押しましょう。眠気が覚めます。
グラス1杯の水を一気のみする
グラス1杯の水を飲むと、内臓が活発になって、身体の中から目覚めを促してくれます。
苦いチョコレートを食べる
チョコレートは、内臓を目覚めさせるのに効果的。カカオ80%以上がおすすめです。
ミントタブレットを食べる
口の中がスースーすることで、鼻腔から脳へ刺激が伝わり、一気に目が覚めます。
テレビをつける
リモコンをベッドのそばに置いておき、起きたらすぐテレビをつけましょう。脳が活性化して、目が覚めやすくなります。
熱い蒸しタオルで顔をふく
神経がたくさん集まっている顔に蒸しタオルを当てることで、脳へ刺激が届いて目が覚めます。
歯みがきをする
蒸しタオルと同じく、歯磨きも脳へ刺激を与える方法としておすすめです。
オレンジジュースを飲む
オレンジジュースには「フラボノイド」という成分が多く含まれ、脳への血流を促す効果が期待できます。
40度以上のシャワーを浴びる
交感神経を刺激して目覚めるために、シャワーを浴びましょう。40度以上がおすすめです。

ドクター、ありがとうございます! これで好きなだけ良い二度寝ができそうです

遅刻しないように、計画的に二度寝の幸せを楽しんでくださいね
<参考>
「良い二度寝」と「悪い二度寝」?知っておきたい二度寝のコツとは
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